岩田商会の誕生(1916年)
岩田商会の創業は、日本柔道の創始者であり講道館を開いた嘉納治五郎先生の思い付きからでした。
当時講道館の事務として勤めていた、初代岩田萬吉に「柔道衣を作ってみないか?」と命ぜられたのです。
それから生地を探し、型紙を作り、縫い子さんを集めて何度も失敗を繰り返しながら、嘉納先生の求められる品質の柔道衣を作りました。
そして講道館の中に「岩田柔剣道衣商会」として売店のような店を構えたのがはじまりです。
トレードマークの白扇印の由来
道衣などの商品にも付いている白扇を交えた岩田商会のトレードマークの由来は講道館にあります。
当時講道館において、入門を願い出るものは白扇を自身の前に置き、礼を尽くして入門許可を得たそうです。
その大切な白扇を交差し、相対するものへの礼儀を重んじるという意味を込めたデザインを、「岩田のマークに使いなさい」と嘉納先生より賜りました。
嘉納先生と開発して現在の柔道衣の標準となった仕様
試行錯誤を重ね多くの開発をしてきたと思われますが、先代より伝え聞いたこととして、
・ズボンの結んだ紐がずれないようにするため、お腹のあたりにカンヌキという輪っかをつける。
・女子部が盛んになるのに伴い、女子有段者の黒帯に白線をつける。
・嘉納先生がいつも赤帯を締めていらっしゃるのを見ていた高段者のあやかりたいという声に対し嘉納先生より相談を受け、紅白帯を提案、製造を始める。
等がありました。
世界初の合気道専用の道衣等の開発(1958年~)
これまでは合気道専用の道衣はなく、他武道の道衣を転用し使用していました。
当時、植芝吉祥丸先生の命を受け、道衣屋を探しておられた合気会本部道場の先生が水道橋店舗にご来店くださり、合気道衣製造のご縁をいただくこととなりました。
ここから先生方やお稽古をされる皆様からのご指導、叱咤激励をいただきながら、合気道衣の開発製造が始まりました。百人町店舗が本部道場にほど近く、当時は風呂敷を担いで納品に伺いました。
合気道衣開発の一例
〈道衣〉
・柔道衣を基本に、素早く滑らかな動きに対応できるようスリムなデザインへ
・動きやすいよう、丈夫でありながら軽く柔らかい道衣も製造
・膝行、座技による道衣と膝への負担を減らすため(ズボンのどの位置に膝をついてもいたくないよう)に、ズボンの膝当てを大きく改良
・長時間袴をつけていらっしゃる先生のご意見により、前あきの道衣ズボンを開発(男性・袴着用の方専用)
〈袴〉
・受け身やあらゆる動きで腰を痛めないよう、腰板の芯をゴム製に改良
・激しい動きに対応できるよう、裂けやすい(脇・股)部分の補強
・合気道の動きに適した袴のつけ方ができるよう、前後紐の長さと強度(縫製を増やす)の改良
ほんの一部ではありますが、現在も皆様が快適にお稽古できる商品をご提供できますよう、品質にこだわり、日々改良・開発をかさねております。
植芝盛平翁の道衣
この道衣は岩田商会が作成した開祖 植芝盛平翁がご着用されていたもので、現在北海道湧別町郷土資料館に展示されています。
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